為になるはなしを入手 その6
旅行業者は、IATAのカルテルに従う戦略を採ると、いずれのライバル業者もそのカルテルに従ってくれれば粗利益400万円を確保できるが、もしライバル業者のいずれもが裏切ってカルテル破りの挙に出てくるようになれば顧客の95%を奪われ、人件費も償えない状況に追い込まれてしまう、また、ライバルをだし抜き値引きする手を打てば、少なくとも粗利益100万円を確保でき赤字だけは免れることが保証され、あわよくば1000万円という"抜け駆けの報酬"が期待できる、ことに気付くはずです。
ライバルの旅行業者がいつ値引きの挙に出てくるか不安に思うようになると、「こちらが先に値引きの手を打つことこそ、営業上もっとも安全で、かつ望ましい」という考えに至ってもそれほど不思議なことではありません。
この旅行業者がこのような考えを抱くなら、他のライバル業者も同じ考えに至るはずです。
海外パック旅行の乱売・値崩れが始まります。
互いに協定相手を信頼することができれば、カルテルは維持され、乱売・値崩れに直面する愚は避けられたはずです。
互いに相手を信頼することこそ、互いの利得増加に結びつくのです。
そのためにカルテルを結んだはずです。
しかし、協定相手に対して少しでも疑心暗鬼の心理が働けば、カルテルは崩れ、せっかくの利潤獲得の機会を逃してしまう結果になるのです。
これをカルテルのジレンマというそうです。

